七尾市の旧高階小学校。この小学校は、すでに廃校となっており、現在は小学校としてではなく、地域のコミュニティセンターとして利用されています。
高階小学校の歴史を紐解く
高階小学校は、明治8年(1875)「三階小学校」として開校されました。幾度かの改称を繰り返し、昭和29年(1954)に旧高階村が七尾市に編入し「七尾市立高階小学校」となりました。
高階小学校について | |
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歴史 | 明治8年(1875) 「三階小学校」として開校 明治18年(1885)「町屋小学校」と改称 明治25年(1892) 「高階尋常小学校」と改称 大正10年(1921) 現在地に旧校舎が完成 昭和29年(1954) 旧高階村が七尾市に編入し「七尾市立高階小学校」と改称 平成元年(1989) 現新校舎完成 平成30年(2018) 閉校 142年の歴史に幕を下ろす 出典:高階小学校閉校記念誌”つどい仲良く” |
卒業生数 | 3500人余り |
教育目標 | 自分の良さを見つけ、伸ばし、たくましく生きていく児童の育成 |
めざす教育像 | つどい仲よく 思いやりある高階っ子 はげみ明るく 学び続ける高階っ子 つよく正しく 行動力ある高階っ子 |
高階小学校は、平成30年(2018)に142年という長い歴史の幕を閉じました。その後、高階小学校は、高階地区コミュニティセンターとして生まれ変わり、日々地元の方々にとっての大切な役割を担っています。
現在は高階地区コミュニティセンターとして利用
廃校になったのち、この施設は現在高階地区コミュニティセンターとして利用されています。
施設名 | 高階地区コミュニティセンター |
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住所 | 〒926-0836 石川県七尾市町屋町ホ部55番地 |
電話番号 | 0767-57-3239 |
営業時間 | 平日 8:30~17:00 祝日・土日 休館 |
ホームページ | http://takashinacomcen.com/ |
この場所では、地域のサークル活動や、小学生の学童保育、たかしな地区活性化協議会の事務所としても利用され地域住民の細かな要望に応えられる体制を整えています。また、この廃校舎を活用してさまざまな地域の方々と共に作り上げるイベントが開催されています。下記にはいくつかのイベントをご紹介いたします。
地域の枠を超えたさまざまなイベントがこの場所で開催
廃校中in高階小~ハンターから逃げきれ!~
2018年7月16日(月)に開催されたイベント「廃校中in高階小~ハンターから逃げきれ!~」。あの人気テレビ番組を彷彿させるような大人と子どもの本気の鬼ごっこがここ旧高階小学校を使って開催されました。
校舎とグラウンドを舞台に子供達がハンター(大人)から逃げまわり、60分間逃げ切った子が勝ちです。そしてミッションをクリアすれば、捕まった仲間が開放される。さて、何人最後まで残ることができるのか。地域おこし協力隊を中心に、インターン生や市内移住者、行政担当者などの有志で作られた実行委員が知恵を絞り、3か月以上かけて準備をしたイベントは約100名の子どもが集まる大盛況のイベントでした。
廃校イルミネーションクリスマス2019
2019年12月25日に開催された「廃校イルミネーションクリスマス2019」。
地域住民の力を合わせて約1万個の電飾を、校舎や玄関、校舎内にイルミネーションし、美しい姿になって皆さんをお迎えしました。こどもの部とおとなの部の2部制で行われ、大人も子供もみんなが楽しめるプログラムで行われました。
廃校ビアガーデン2019~たかなしっ子のラストサマーフェス~
「廃校を活用して地域の賑わいを作りたい!」
「飲みながら地域の将来を語る場所を作りたい!」
そんなコンセプトで、インターン生が地域盛り上げ隊として地域おこし協力隊と一緒に考えた企画です。参加されたみんなの笑顔をみれば、楽しさが伝わってきますよね。
恵方巻2020㎝(20メートル+20センチ)に挑戦!
節分といえば恵方巻。恵方巻は長い太巻きですが、高階地区の恵方巻は一味も二味も違います。なんと、2020㎝という超ロングな恵方巻です。高階地区内に本社を置く、水産加工会社(株)スギヨさんのカニカマやちくわなどの商品をふんだんに使用し、具材を参加者みんなで並べて巻き上げます。2020㎝というと、20メートル+20センチです。結果、無事成功!見たことがないようなさまざまな具がたっぷり入った恵方巻が出来上がりました。最後には、参加者みんなで恵方を向いて恵方巻をほおばりました。
廃校ドライブインシアターTAKASHINA2020
2020年はコロナ渦の中、さまざまなイベントが中止になりました。その中でも、何かできないか? そんな願いを叶えてくれたのが「廃校ドライブインシアターTAKASHINA2020」です。3密をさけ、接触を極力避けて映画鑑賞が楽しめるドライブインシアターはコロナ禍で再注目され、全国各地で開催されています。高階地区ではスクリーン作成、会場準備、当日の案内係まで、地元のボランティアの方々の協力を得て作り上げた手作りの「廃校ドライブインシアター」でした。能登地方初のドライブインシアターは全国的にも注目を集め、さまざまなメディアにも取り上げられました。
廃校の学校でも、いや、廃校だからこそできることがある
今回ご紹介した高階小学校は、既に廃校になっていますが、今も地域の方々の思い出とともに生き続けています。全国でも廃校の学校は多数存在します。学校という役割を終えても、地域に根付いた場所を有効利用できる場所は、あるはずです。もしそのような場所があるならば、ぜひ大切に守って行ってください。みなさんの大切な場所がいつまでも地域の中で守り続けられますように祈っています。