■展覧会について 【2つのテーマで当館の収蔵作品を紹介】
展示室1/カットガラス展
ガラスの伝統的な装飾技法のひとつである、カット。ガラスの表面にカット加工を施すことで、シャープな印象を与え、また、カット面に光が反射するとキラキラとした輝きを得ることができます。日本に残る古いカットガラスとして、ササン朝ペルシア(226–651)で製作されたといわれる正倉院宝物の白瑠璃碗(はくるりのわん)が知られていますが、カットガラスが多く輸入されるようになるのは江戸時代になってからです。日本に舶載された西洋のカットガラスの輝きは人々を魅了しました。やがて徐冷技術の発達にともない、カット加工に適した厚手のガラス器の製作が可能となったことから、天保年間(1830–1844)には和様のカットガラス・切子が流通するようになりました。本展では近代の器や日本のカットガラス・切子の流れをくむ現代作品、中国清朝ガラスなどを紹介し、カット技法による様々なガラスの表情をご覧いただきます。
※本展は予定していた内容の規模を縮小して開催します。
展示室2/生々流転
約 4500 年にも及ぶガラスの歴史の中で、ガラス素地や窯、工具などの改良が進むに連れ成形技術が向上し、多様な視覚効果をもたらす技法が生み出されてきました。江戸時代のガラス職人たちが西洋ガラスの再現に取り組んだように、現代の作家たちも試行錯誤によって新たな技法を開発するなど、ガラスの表現素材としての可能性は無限の広がりを見せています。本展では「生々流転」のテーマで、ガラスが持つ素材の効果を最大限に活かした作品を展示し、次々と生まれ変化していく技法の一部を紹介します。幾多の技法を駆使し、ガラスの涼やかさや温もり、柔らかさや硬さなどを感じさせる作品をお楽しみください。
※ 生々流転:万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと。【『広辞苑』】
■会期中のイベント
「ランプワーク・デモンストレーション 2022」
北陸在住の作家たちが、バーナーの炎でガラスをとかし華麗な技を披露します。
日 時/2022年10 月 15 日(土)、16 日(日) (所要時間:30分/回)
①10:00 ②10:45 ③11:30 ④13:30 ⑤14:15 ⑥15:00
会 場/別棟 2 階(入場無料)
※混雑緩和のため、入場制限を行う場合があります。 ※詳細は当館 HP でお知らせします。
イベント詳細 | |
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会期 | 2022年 9月3日(土)~2022年11月 6日(日) ※休館日 毎月第 3 火曜日 |
開館時間 | 9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで |
入館料 | 個人(高校生以上)800円 団体(20名以上)700円 ※中学生以下無料 |
主催 | 石川県能登島ガラス美術館(公益財団法人七尾美術財団) |
イベントHP | https://nanao-af.jp/glass/?p=9594 |
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