七尾羽咋線の一角に赤レンガが積み上げられて作られた「七尾港水源地」と書かれた門があります。この門は文献によると大正3年に作られたといわれています。そしてこの場所が「霊泉」あるいは「神水」と呼ばれていた「岩屋の霊水 七尾港水源地」でもあります。
岩屋は、江戸時代から山の寺寺院群にある妙観院にならぶ七尾の二大観光地とされるほど有名な場所でした。
岩屋の洞窟の中には、6~70センチ程の間隔で置かれた2つの石があります。こちらが湧出口となります。水深は3~40センチと深くはありませんが、この場所から湧き出ていた水は、その昔七尾のすべての酒屋が醸造用水として汲んでいいたが、盛夏でも枯れることなく湧き続けていました。
先に七尾の酒屋と記述したが、実は七尾ではその昔、酒作りがとても盛んであり県内第一の醸造量を誇っていました。ここ岩屋の水で作られた酒は醇美であり「七尾酒」として北海道や江戸へも送られていたとのことです。
大正3年七尾港への入港する船舶に給水する為に木製の太い水道管を埋没し、市内六か所の辻に排水弁を設けて、住民が自由に使用でき、そして酒屋の水くみもしやすくしました。
その後船舶給水に関しても水道を利用するようになり、昭和27年には七尾市の上下水道もでき、岩屋の霊水もその役割を終え、今ではその場所を残すのみとなっています。
施設名 | 岩屋の霊水「七尾港水源地」 |
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住所 | 石川県七尾市藤橋町 テコ79 |
駐車場 | なし |