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■かぶら寿司の師匠■ 近江節子さんに話を伺う【中能登町】

今回インタビューするのは、石川県中能登町でかぶら寿司のスペシャリストとしても有名な近江節子さん。

寿司という名前がついているが酢飯は使わない漬物に近い「なれずし」の分類であるお漬物であるかぶら寿司は、昔から能登の発酵食として代々受け継がれてきた伝統文化の1つです。そのかぶら寿司について、近江さんに興味深いお話を伺いました。

近江節子さんに学ぶ「かぶら寿司」のこだわり

ー近江さんがかぶら寿司を作り始めたきっかけについて教えてください

25年程前に農協の一角に漬物を漬ける場所があり、そこでかぶら寿司を作ってたんや。 10年以上前にその方法を思い出してまた作り始めたのがきっかけ。私も最初はドキドキしながらかぶら寿司を作ったものです。今では作り方は頭に入ってはいるけど、作り始めの5~6年の間は、ノート見ながらどれくらいの割合かメモを取りながら作ったもんです。

ーかぶら寿司を作るにあたってのこだわりポイントはどのような点ですか?

我が家は毎年自分で作った白かぶらを使ってるんや。白かぶらを使う理由としては、コリコリした食感が美味しいから。そして丸いかぶを使う理由としては、「角が立たない」という意味も含んでいるから、丸のまま使える大きさのかぶを私は使うようにしています。

かぶら寿司に挟む魚は、一番合うのは塩鯖だと思っている。油がないさっぱりした魚で作ってもかぶら寿司はおいしくないからね。鰤で作るかぶら寿司はもちろんおいしいんやけど、鰤は高い。鯖やサーモンは安くて美味しいから、我が家は鯖やサーモンで作ってるのよ。

もう一つかぶら寿司を作る大切なポイントは、糀をどれだけ美味しく作れるかにかかってる。おかゆを2合焚いて、1合の糀をいれ、1時間ごとに混ぜる。どうしても柔らかくならないときには湧き冷ましのお湯を100㏄くらいづつ混ぜるという形で3時間の時間内で作る。時間は厳守。柔らかくなり過ぎたらもとには戻せないのでお湯の量は入れ過ぎないように注意が必要。これも長年作っていると、感覚で覚えているところがあるんや。ここで失敗したら美味しいかぶら寿司ができないから大切なポイントやと思うとる。

ー材料はすべて近江さんが準備されているんですか?

かぶら寿司の材料で自分で作れるものは自分で作ったものを使っているが、作れない食材もある。またそれ以外にも力仕事などは私一人ではできないことも多い。そんなときに地域の皆さんの助けを借りて作っているんやよ。だからこそ、できあがったかぶら寿司は、助けてくれる地域の方々へのお礼を込めて、おすそ分けしていることも多いんや。中には私が作ったかぶら寿司が美味しい美味しいと、できあがる時期を待ちわびてくれている人もおるんやよ。

かぶら寿司はどの時期に作るものですか?

かぶら寿司は、寒くなる時期の11月中旬~2月までの時期の食べ物といわれているんや。それは、気温が17度以上になると、かぶら寿司に酸味がでてしまって美味しく作れなくなるから。寒い時期に仕込むととても美味しくなるので、やはり正月に食べることができるように作ることが多いね。出来上がってから1週間くらいで食べきる形になるので、12月25日くらいを目掛けて各家庭では作っているんや。かぶらを下漬けしたり、魚や甘糀を仕込んだり、そして本漬けをしたりと、準備し始めて10日前後かかるので、その時間を計算しながら作っているんや。

ーかぶら寿司の話をしている近江さんはとても生き生きしていますね

かぶら寿司を作る作業は、大体12月に集中して行うことが多いもんで、子ども達からも「12月は婆ちゃんの道楽やから好きなようにせい」と言ってもらってるんや。

そう話す近江さんの生き生きとした笑顔が、筆者はとても印象に残りました。

近江さんに会いに高校生が学びにくる

中能登町にある鹿西高校の生徒達が、近江さんのかぶら寿司に興味を持ち、実際に近江さんの作るかぶら寿司を自分達も作ってみたい。そしてレシピ化したいと立ち上がりました。

かぶら寿司は石川県の中でもいろんな地域で作られています。地域ごとのこだわりが詰まった作り方がありますが、その中でも近江さんのかぶら寿司が一番おいしいと感じたという高校生たち。最初は「こんな私が教えることなんて」と思っていたそうですが、高校生たちの眼差しはとてもまっすくで、近江さんも心を打たれ、協力することを決めたそうです。蕪をつける塩の分量、甘糀の作り方、魚の仕込み方など、近江さんの頭の中にあるレシピを実際に分量や大きさをはかり形にする。そうすることで、今後ずっとこのおいしさが後世にもつながることにもなります。

何年か高校生たちとかぶら寿司を作っていったことで、近江さんの作り方をしっかり学んでいる高校生たちもしっかり成長し、手取り足取り教えなくても自分達でかぶら寿司を作ることができるようになってきました。高校生たちの知識の吸収力、包丁の使い方なども上達する成長のスピードの速さに、講師である近江さんもとても感激したそうです。

近江節子さんにお話しを伺って

近江さんにとってかぶら寿司は楽しみでもあり、いつも助けてくれている周りの方々への感謝の形であります。手間暇をかけてつくるかぶら寿司には、素材のおいしさもありますが愛情もたっぷりと含まれていることが今回お話しを伺ってとても感じられました。

絶えず笑顔でかぶら寿司の話をしてくれる近江さんの笑顔に、筆者もとても元気を貰えるインタビューでした。

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